落花生は千葉県が一大生産地!品種別の魅力や選ぶポイント
落花生は、1,600種以上の品種があるといわれるほど種類豊富で、世界中で生産と消費が行われている人気のお豆です。国内では千葉県を中心に栽培されており、国産の落花生は甘みをしっかり感じられます。品種改良も進んでいて、お豆の種類によって加工方法も異なり、違う味わいを楽しめるのが魅力です。この記事では、落花生の種類や国産落花生の品種別の特徴、お豆を選ぶときのポイントについてご紹介します。
落花生の種類
落花生の種類は、大きく分類するとランナー種とバージニア種、スパニッシュ種、バレンシア種の4つに分けられます。ランナー種はアメリカで生産されている落花生の約8割を占める品種です。バージニア種は大粒で、ひとつの殻に2つのお豆が入っているのが特徴です。日本で消費されている落花生のほとんどがバージニア種であり、焙煎や加工が行われた後に店頭へと並べられます。一方、スパニッシュ種とバレンシア種はひとつの殻に3~4つのお豆が入っており、小粒です。とくに、スパニッシュ種は油分が豊富に含まれているため、搾油に使われることが多く、ピーナッツバターの材料としても利用されています。油分のなかでもオレイン酸という脂肪酸が多く含まれている種類のお豆なので、保存に適しており、塩ピーナッツに加工されることもあります。
海外産の落花生は大量に輸入されているため、低価格で購入できるのが特徴です。現在、日本に流通している落花生の9割が海外産ですが、収穫から時間が経っているため、酸化して味が劣化しているお豆もあるといわれています。おいしくて上質な落花生を食べたいなら、国産の種類を選ぶのが1番です。国産の落花生には、海外産にはない甘みを楽しめます。種類によって味や食べ方が異なるため、それぞれの性質を理解しておくことで、お気に入りのお豆に出会えるでしょう。
落花生の生産地
世界で落花生の生産量は増加しており、なかでも中国が圧倒的に生産量1位を誇っています。中国では家庭料理で落花生を使う機会も多く、国内での消費も盛んです。日本も中国からの輸入に頼っており、そのほかにもインドやナイジェリア、アメリカなどの国々で生産されています。一方で、国内での落花生生産量は低迷しているのが現状です。落花生農家の高齢化やほかの作物への栽培転換などが主な原因としてあげられます。国内で生産される量が少なく、海外産の落花生に価格面では太刀打ちできないため、差別化を図るためには質の高いお豆を作る必要があります。
国産落花生の消費量を増加させるためには、味や安全性など国産の強みをアピールすることが求められています。機械化によりコストを削減して、生産量を増やすことも業界の拡大には必要です。落花生栽培がメジャーでない県でも、イベントやPRを行いながら落花生の生産拡大を目指しています。寒地では落花生栽培は困難であるといわれていましたが、温暖化の影響もあり、北海道でも栽培が可能になっています。寒暖差を利用して、甘みのある新たな種類の落花生作りに取り組んでおり、国内でも注目されている地域です。現在栽培されている国産落花生の8割が、千葉県で作られています。昔から栽培されている王道の種類と、品種改良によって開発された新しい落花生もあります。とくに、千葉県の八街市は、土壌が火山灰地で落花生が育ちやすい環境です。風が強くしっかりとお豆を乾燥させられるので、県内での一大生産地となっています。
千葉県産落花生の主な品種
千葉県で育てられている落花生の品種のなかで、作付面積の8割以上を占めているのが千葉半立と中手豊です。茹でるのに適している種類としては、郷の香とおおまさりがあげられます。千葉県産の落花生は、栽培の知識が豊富な農家の下で育てられているお豆です。
⚪︎千葉半立
千葉半立は千葉で70年以上の栽培歴を持つ落花生で、ブランド品として認定されています。風味豊かな最高級の落花生であり、やわらかく甘みがあるお豆です。口に含んだ後にさらに甘みを感じられて、甘さを2度楽しめる点が魅力といえます。千葉県内で最も作付面積が多い種類ですが、株が横に広がって育つため収穫量が少なく、栽培農家が減少しています。県内でも千葉半立を主軸として販売している店舗は貴重で、地元での人気も高いため、高値で取引されている希少性の高いお豆です。千葉半立は香ばしさとコクを併せ持ち、おいしさが詰まった品種です。ただし、殻の表面に斑点や模様ができやすい種類であるため、見栄えはあまりよくありません。
⚪︎中手豊
1979年に品種登録された中手豊は、さっぱりとしていて煎るとカリっと香ばしいのが特徴です。あっさりとした味わいで、クセが少なく食べやすい種類として知られています。落花生のなかでも収穫時期が早いので、いち早く旬の味を楽しめます。比較的育てやすい種類で収穫量も多く、お手頃な価格で購入できるのも好ポイントです。中手豊は収穫期を過ぎると品質や味が低下しやすいため、時期の見定めが重要です。病気にかかりやすく、雨が多い年にはカビが発生して収穫量が減少することもあります。収穫量は多いものの、千葉半立と同様に育てるのが難しい面もある貴重な種類です。白い殻のまま育つお豆が多いため、見た目はとてもきれいなのが特徴です。
⚪︎郷の香
中手豊の良さをいかして品種改良された落花生で、茹でるのに適している種類が郷の香です。中手豊と八系192の2種を掛け合わせてできた品種で、渋みが少なくさっぱりとした味わいです。殻が薄いのが特徴で、塩ゆでしたときにしっかりと塩味がお豆に定着します。塩ゆですることにより甘じょっぱくなり、落花生の甘みが引き立ちます。中手豊と同様に殻が白く、見栄えのよい落花生です。茹で落花生は煎ったものに比べて非常にやわらかく、栗のようにホクホクした食感を楽しめます。そのまま食べるほか、ご飯に混ぜて炊き込みご飯として食べるのもおすすめです。茹でることで、素材の味をいかしたシンプルな味を堪能できます。
⚪︎おおまさり
おおまさりは茹で落花生に適しているもうひとつのお豆で、中手豊とジェンキンス・ジャンボを掛け合わせた品種です。2010年に品種登録された比較的新しい種類で、豆の大きさが郷の香の2倍以上あります。収穫量も郷の香の1.3倍と多く、落花生栽培の規模拡大に貢献しています。甘味が強く、ボリューム満点で誰でも食べやすい種類の落花生です。収穫後すぐに茹で加工を行わないと殻が黒く変色してしまう性質があるため、茹でた状態で販売されているものがほとんどです。茹でた落花生は冷凍保存も可能で、1ヶ月ほど保存できます。余裕があれば、殻をむいてから冷凍しておくと料理で使う際に便利です。茹でれば殻がやわらかくなり食べやすくなることに加えて、お豆内のポリフェノールが変化して抗酸化作用が強まるともいわれています。
落花生を選ぶときのポイント
食感で選ぶ場合、茹でた落花生はやわらかい食感で、ローストされているお豆はカリっと感を楽しめます。ロースト落花生は鶏肉やベーコンと炒めたり、サラダにトッピングしたりと手軽にアクセントとして活用できます。一方で、生の落花生は自分で好みに合わせてアレンジしたいときにぴったりです。ただし、生の落花生は湿気や高温環境に弱いため、冷蔵庫での保管が必要になります。
お豆に甘みを求めるなら、煎り落花生では千葉半立がおすすめです。甘みが強く風味豊かな種類ですが、希少性の高さから値段が高く、日常的に食べるのは難しい場合があります。一方で、2018年に郷の香と関東96号の交配によって生まれたQなっつは、比較的リーズナブルな価格帯で甘い種類のお豆です。長い研究期間を経て品種改良に成功したQなっつは、ほかの落花生にはないはっきりとした甘みを持っています。甘みはあるものの、食べた後はすっきりとしていて甘さが長く残らないため、しつこさを感じさせません。Qなっつは発芽率も高く、病気にも強い種類として知られています。おいしさを保ちながら生産量が増加すれば、今後が期待できる品種です。
見た目を重視したいときは、殻の網目がはっきりしている種類を選ぶとよいでしょう。殻の表面がつるつるのお豆は未熟なまま収穫されている可能性が高く、殻を開けてみると豆が小さく、コクも感じられない場合があります。サイズも大きければよいというわけではなく、収穫期を過ぎていると風味が落ちてしまいます。見た目のきれいさでは中手豊が1番です。ギフト用として製造されている商品もあるため、贈り物として選ぶのに最適の種類といえるでしょう。
お豆のピープルの落花生
お豆のピープルの落花生は、千葉県産の中手豊を使用しています。販売している種類は、サヤ付き落花生と殻をむいた煎り落花生の2種類です。サヤ付き落花生は、品質の高いお豆を電気の煎り機でじっくりと焙煎しています。中手豊は見た目が美しいため、手土産やお中元としても贈るのに最適のお豆です。必要な方には、のし付けも無料で行っていますので、注文時にご相談ください。煎り落花生は大粒で、余分な味付けなしの素煎りで販売しているのが特徴です。そのまま食べたり、料理に使ったりとアレンジしやすい商品です。ギフト用の場合は、専用の紙袋に好きな商品を詰め合わせることもできます。サヤ付きと殻剥きの落花生を2種類組み合わせて、味の食べ比べを楽しむのもおすすめです。
まとめ
落花生は世界的に生産量が増加しているお豆で、国内産のほとんどが千葉県で生産されています。国産の落花生は甘みがあり、種類によってはさっぱりとした味わいも楽しめるのが魅力です。味わいのほかに調理の仕方や見た目の違いもあるので、用途に合わせて種類を選択できます。種類による違いを知っておくことで、自分好みの落花生を見つけましょう。