落花生から栄養を取り入れて整腸効果を実感!腸活レシピもチェック

落花生にはたんぱく質や脂質など、体のエネルギー源となる栄養素も含まれていますが、腸の健康を守る栄養分も豊富です。代表的な栄養素である食物繊維は、腸内の環境を整えてくれます。腸は栄養を吸収し、免疫細胞によって全身の健康を守ってくれる臓器であるため、腸内の環境維持は大切です。この記事では、整腸作用のある落花生の栄養素や期待できる効果、朝食向けの整腸レシピをご紹介します。
落花生に含まれる整腸効果のある栄養素
落花生には、腸の健康を維持してくれる栄養素が豊富に含まれています。そのなかでも、整腸効果が期待できる栄養素は、ビタミンと食物繊維です。抗酸化作用のあるビタミンEは、落花生100gあたり約18mg含まれています。ビタミンEは大きく4つに分類されますが、とくに生理的な力が強い栄養素はαトコフェロールです。αトコフェロールは、落花生に含まれるビタミンEのうち約6割を占めています。腸での抗酸化作用とは、腸内で必要となる物質の酸化を防ぎ、環境を改善する働きのことです。また、ビタミンEには血行促進や女性ホルモンのバランスを整える作用があり、冷え性や肩こりの症状改善も期待できます。
落花生は、ビタミンだけでなく食物繊維も豊富です。整腸効果のある食物繊維によって不要な物質が排出され、腸内がきれいに保たれます。生の落花生100gに含まれる食物繊維は8.5gで、お豆を煎ると11.4gに増加します。この値はごぼうの2倍近く、蒸したさつまいもの約5倍の栄養価です。落花生の食物繊維には、血中のコレステロール値を低下させたり、血糖値の急激な上昇を抑えたりする作用もあり、生活習慣病や一部の癌リスクの低下にも効果があるとされています。
落花生に期待できる腸活効果
落花生に含まれる食物繊維やビタミンの力によって、体によい影響のある菌が腸内に増えます。腸内環境を整えることは、体質改善にもつながるでしょう。落花生から整腸効果のある栄養素を補給すれば免疫力がアップして、美肌効果も期待できるなど、嬉しい効果が盛りだくさんです。また、落花生から栄養をバランスよく取り入れることで、腸自体の細胞も強化されます。
腸内環境の改善
落花生には、水溶性と不溶性両方の食物繊維が含まれています。とくに多く含まれている栄養素は、水分を吸ってスポンジのように膨らむ不溶性食物繊維です。膨張した食物繊維は腸内でかさを増し、数十倍の大きさになることもあります。膨張作用によって腸の壁が刺激され、ぜん動運動が活発化し、便秘の解消につながるのです。整腸効果のある栄養素ですが、摂りすぎると便量が増える恐れがあります。便秘に困っているからといって、落花生の食べ過ぎは避けましょう。
一方で、落花生の水溶性食物繊維は大腸まで届き、善玉菌のエサとなり腸内環境を整えるのが主な役割です。その名の通り水に溶けやすい性質を持ち、便をゼリー状にやわらかくすることで排便をスムーズにします。便の移動がゆっくりになるため、小腸での栄養吸収がゆるやかに変化するのも特徴です。結果として、食後の急激な血糖値上昇を防ぎ、血管や体への負担が軽減されます。落花生は整腸効果のある食物繊維をバランスよく含んでおり、不要な物質を排出しながら、腸にとって必要な菌を増やしてくれる食品です。
免疫力アップ
腸は脳の次に神経細胞が多く存在しており、第二の脳とも呼ばれる重要な臓器です。体内の約7割もの免疫細胞が、腸に集まっているといわれています。腸は栄養を吸収する役目を持ちながら、外界とつながっている臓器です。有害な菌やウイルスが体内に侵入するのを防ぐために、免疫機能が備わっています。腸内細菌のバランスが整うと免疫細胞が活性化し、細菌の種類も豊富になるのが特徴です。多様な細菌が住み着くことで、さらに整腸作用が高まります。食物繊維以外で、整腸のために重要な役割を果たしている栄養素がオリゴ糖です。落花生にも含まれるオリゴ糖は、腸内の善玉菌であるビフィズス菌を増やす働きを持つといわれています。善玉菌が増えると悪玉菌が減り、腸内細菌のバランス維持につながるのです。
近年では、腸と脳が密接に関係しているという研究も進んでいます。ストレスを感じるとお腹が痛くなるように、腸の状態は心の健康にも影響を与えるようです。逆に、腸内環境が悪いと、精神的に不安定になるともいわれています。整腸作用の高い落花生の力で、心の免疫力を向上させる効果も期待できるでしょう。
美肌効果
腸内環境と肌の状態の関連についても、研究が進められています。腸内には多くの細菌がありますが、肌にも多くの常在菌が暮らしているのです。腸内環境が乱れて悪玉菌が増えると、有害物質が腸から吸収されます。肌トラブルを引き起こす原因としてあげられるのが、血液を通じて有害物質が肌へと到達することです。また、腸内環境の悪化により免疫機能が過剰に反応すると、体に害のない物質まで攻撃しはじめることがあります。結果として自己免疫疾患やアレルギーを引き起こし、皮膚に炎症やかゆみがでる可能性があるでしょう。肌のトラブルを避けるためにも、落花生など整腸作用のある食品の摂取は大切です。
また落花生の栄養素で、直接美肌に貢献するものとしてビタミンEが注目されています。ビタミンEは強い抗酸化作用を持ち、肌の老化を防いで、紫外線などの影響で発生する活性酵素を除去してくれる栄養素です。落花生を食べて肌のバリアを高めれば、シミやシワが増えるリスクの軽減が期待できます。ビタミンEは脂溶性であり、油と一緒に摂取すると栄養吸収率が向上するため、落花生を炒め物に加えて食べるのがおすすめです。
炎症抑制
落花生は、ブドウや赤ワインなどにも含まれているレスベラトロールという栄養素が豊富です。レスベラトロールは、ポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用を持っています。とくに落花生の薄皮に多く含まれていて、免疫機能を調節する役割を果たすのが特徴です。腸の炎症は免疫機能バランスの崩れによって起こるため、レスベラトロールは炎症の抑制が期待できる栄養素といえるでしょう。また、腸の炎症は、肥満とも関連しているといわれています。落花生に含まれるレスベラトロールは、炎症を鎮めるのと同時に、肥満予防にも役立つ可能性を持った栄養素です。ただし具体的な作用については研究段階であるものも多く、さらなる落花生の健康への貢献が期待されています。
腸の免疫機能を維持するためには、腸管自体を強く保つことも大切です。腸の壁はたんぱく質によってしっかりと結びついており、有害な異物が侵入するのを防ぐ役割を果たしています。また、たんぱく質の不足は、腸の壁を覆う粘液の機能低下にもつながるのです。腸の整腸効果を保つには、十分なたんぱく質を摂ることが重要といえます。落花生は栄養素の約半分がたんぱく質でできているため、腸の健康を守るために優れた食品といえるでしょう。
落花生のおすすめ整腸レシピ
落花生を食生活に取り入れるときは、朝食で活用するのがおすすめです。胃が空になっている朝食で落花生を食べれば、血糖値をゆるやかに上昇させられます。時間がないときでも手軽に用意できるのが、落花生スムージーです。まずは豆乳や牛乳に、ローストした落花生を入れてブレンダーにかけます。お好みでバナナなどのフルーツやハチミツを入れて、甘みを調整してください。忙しい朝はヨーグルトにローストした落花生をのせるだけでも十分です。ヨーグルトにはビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が入っており、食物繊維たっぷりの落花生と合わせることで、効率よく栄養摂取と整腸をおこなえます。
寒い日は落花生にバターを加えて、スープに入れて食べるのも体を温められる整腸レシピです。にんじんや玉ねぎなど好きな野菜を炒めて、コンソメで味付けするだけで、まろやかでコクのあるスープができあがります。落花生とバターの油分があるため、整腸作用のあるビタミンEが吸収されやすいのも栄養面での嬉しいポイントです。簡単に作れておやつにもなるのが、落花生を混ぜ込んだ栄養たっぷりのドライフルーツバーです。ドライフルーツにローストした落花生とコーンフレークを混ぜて、ハチミツとピーナッツバターを加えて固めます。生地を型に敷き詰めて、オーブンで焼けば完成です。ドライフルーツは柑橘系のものを使えば、ビタミンCも摂取できます。落花生に含まれるビタミンEの抗酸化作用は、ビタミンCと一緒に摂取すれば復活するといわれており、美容への効果が期待できるでしょう。
お豆のピープルの落花生
お豆のピープルでは、サヤ付きの落花生を販売しています。素材にこだわっていて、千葉県産の中手豊という品種の落花生を使用しています。さっぱりとした味わいが特徴で、食べやすい種類のお豆です。職人が仕入れからおこなっており、生の落花生を試食し、甘みがあるものを厳選して買い付けをしています。細かい時間調整をおこないながらガスでじっくり焙煎し、丁寧に仕上げているお豆です。落花生の殻を割りながら食べる楽しさもあり、薄皮がついたままなので、栄養面でも優れている商品です。薄皮の渋みのなかに、落花生の自然の甘みが感じられます。食感はカリッとしていて、噛むほどにやわらかさが増していくのも魅力のひとつです。調味料で味付けがされていない落花生なので、おやつやおつまみ用に自分好みでアレンジできます。
まとめ
落花生には、整腸作用のある食物繊維やビタミンなどの栄養素が豊富に含まれています。適量の落花生を食べることによって、腸内環境を整える効果が期待できるでしょう。また、腸内環境が改善するだけではなく、腸とつながりの深い皮膚や脳など、体内のさまざまな機能に対してもプラスの影響力があります。整腸作用を持つ落花生を食生活のなかに取り入れて、栄養を補給しつつ、腸美人を目指しましょう!
参考文献
文部科学省「食品成分データベース(乾燥落花生)」、厚生労働省「eヘルスネット:食物繊維の必要性と健康」、ヤクルト中央研究所「脳腸相関」